このように人体は電気的な性質を持つので、神経電流とよく似た電流を与えると、身体の働きを高めたり、回復をさせる働きもあります。これが電流刺激療法です。
電気刺激療法の種類と特徴
■TENS(テンズ:経皮的電気刺激療法)
主に知覚神経に対して刺激を加える治療法です。低周波治療と言った場合、一般的にはこのTENSを指します。
痛みを和らげ、筋肉をマッサージしてコリやマヒをほぐします。
■EMS(神経筋電気刺激療法)
EMSは筋肉や運動神経に電気刺激を与えて筋肉を収縮させます。
医療分野では、脳血管障害などで自分の意志で運動ができなくなってしまった人のリハビリとして使用されています
スポーツの分野では、オリンピック代表選手が用いて、高い効果が得られたことから注目され、以降筋肉トレーニングのための運動器として利用されています。
■マイクロカレント療法(微弱電流療法)
人間の身体にもともと流れている電流を生体電流といいます。この生体電流に似た微弱な電流を使った治療法がマイクロカレント療法です。
ケガや痛みの治療に効果が高く、スポーツの世界でも積極的に使われています。
■干渉電流刺激療法
周波数の違う2種類の電流を交差させると干渉が起こります。これを治療に応用したのが干渉電流刺激療法です。
皮膚抵抗の低い中周波電流を利用できるので、低周波に比べてピリピリ感が少なく、深い部位まで作用させることができます。
■ロシアン電流刺激(ロシアンカレント)
2,500Hzの中周波電流を使った電流刺激で、ロシア人のヤコブ・コッツによって紹介されたことにちなみ、ロシアン電流刺激と呼ばれています。
主に筋肉トレーニングに使用されています。
■高電圧電気刺激療法
普通の低周波では届きにくい、筋肉の奥深くの痛みやコリを治療するのに適した治療法です。
高い電圧の電気刺激を極めて短い時間流すことで、皮膚の抵抗を受けにくくして深部の治療を行います。
低周波治療器を使用した時の良し悪しは、一つ一つの波形で決まります。 〔1〕従来の低周波治療器の電圧を人体に流すと、図1のようにピーク電流が最初だけ高くなり、
後半は電気が皮膚で止まりほとんど流れなくなります。
〔2〕 TENSシリーズの低周波治療器ではコンピュータ制御により波形の後半を強くし、図2のように刺激して人体に通電すると滑らかに電気が入るために、皮膚で電気が止まらず、深部まで刺激できるため効果が高まるだけではなく、従来のピリピリ感がなく感触が良くなります。
同じ周波数、電圧、電流でも波形によっては、強く感じたり、弱く感じたりします。
図2のように生体に通電した時のTENS21の出力波形は、機器から出力された波形を効率良く伝えています。 それに比べ、図1のように、一般的な直角波の波形では、生体に通電した時かなり崩れてしまいます。その原因は皮膚での電気的な消費が大きいためで、そのことにより皮下の組織に深く通電することが出来ません。 又、これが不快な通電感覚をも伴います。さらにバックパルスの発生により、不快な通電感覚をより増大されてしまいます。
TENS21ではバックパルスは生じません。TENS21の心地よい刺激・心地よい通電感覚の源がここにあります。
医療・トレーニング
リハビリやペインクリニックにおいて物理療法として用いられる低周波治療器、あるいは低周波通電療法のことを単に低周波と呼ぶことがある。肌に当てた導子と呼ばれる2個以上の端子の間に、弱いパルス波電流を流す。周波数が1〜2Hzは肩こり、100〜150Hzは腰痛の治療に用いられる。周波数が高めで神経を刺激するTENSはリハビリ目的で使われている。
また電気パルスで筋肉を刺激するEMSは、スポーツ選手の効率的な筋力トレーニングとして効果が実証されているが、脂肪を減らす効果はないため痩身には効果が薄い